My insight

あるソフトウェアエンジニアの気づきを公開。エモい話、技術の話など。不定期更新。

ブレインストーミングの心構えと準備、ちゃんとできてますか?

はじめに

最近、ブレストをやってほどほどに楽しい経験をしたのですが、パンチが足りないと思い自省を込めて振り返ってみました。

この記事は以下の構成になっています。

  1. キーセンテンス -- ここを読んでピンと来なければ読むのを止めた方が良いです。続く内容はこれの行間に当たります。
  2. ブレストの阻害要因と対策
  3. ブレストの前に終わらせておくこと

キーセンテンス

  • ブレストではアイデアの妥当性を考えない
  • 妥当性の無い考え方や行動をすると、不安になる
  • ブレストで評価するのはアイデアの内容ではなく、アイデアの数
  • 不安を克服し、考え方のクセを直すのは容易ではない
  • 普段と違う環境で、普段と違う行動をしながら思考する
  • イデアを付箋やホワイトボードや壁に書き付けながら考える
  • 人間の短期記憶が同時に扱える個数は3~7つくらいに限られているため、書き付けないとすぐに限界に来てしまう
  • ブレストの参加者間で目的の認識が揃っている
  • ブレスト中に目的認識のズレに気づいたとしても、直接的に「間違っている」という意思表示は基本的にタブー
  • 発想を伸ばしていく方向を、自分でアイデアを追加するなどして、なるべく自然な形で誘導する
  • ブレストには対立を持ち込まず、あくまで協力して行う
  • ブレストは目的認識を揃えた上で実施しないと、ただ混沌とした結果しか生まない

ブレストの阻害要因と対策

ブレストは選択肢を広げる強力な手法ですが、その効力を最大限に高めるために必要な心構えがあります。それは、

ブレストではアイデアの妥当性を考えない

ことです。

当たり前ですか?でも、これには訓練や慣れが必要だと感じます。

私が受けてきた学校教育の多くの科目においては、成績評価のため、思考と行動の妥当性をテストされました。そのせいか、私は

妥当性の無い考え方や行動をすると、不安になる

のです。

ブレストは思考を発散させることで、既成概念に囚われない、新たな選択肢に気づくための手法です。アイデアの妥当性を判断することは、すなわち既成概念に囚われることになります。

ブレストで評価するのはアイデアの妥当性ではなく、アイデアの数

です。このことをまず、参加者全員がアタマに叩き込む必要があります。間違っているとか正しいとかそういうことを考えてはいけません。まずは理性で不安に対処します。思い付きとひらめきを信じましょう。内容の妥当性は後回しです。

……と言われても、私はブレストでもアイデアの妥当性をつい考えてしまっていました。

不安を克服し、考え方のクセを直すのは容易ではない

のです。

そこで効果的なのが、

普段と違う環境で、普段と違う行動をしながら思考する

ことです。

集中力を削がないようにしつつ、寝っ転がったり、歩き回ったり、外に出たり、甘いものを飲んだり、深呼吸をしたりすると効果的です。逆に座ったまま行うのはオススメしません。

基本のスタイルは立ったまま、

イデアを付箋やホワイトボードや壁に書き付けながら考える

というものです。アイデアを書き付けることは非常に重要です。なぜなら、

人間の短期記憶が同時に扱える個数は3~7つくらいに限られているため、書き付けないとすぐに限界に来てしまう

からです。

ブレストの前に終わらせておくこと

もし、あなたがブレストのファシリテーションを試みるのであれば、

ブレストの参加者間で目的認識が揃っている

ことにも注意を払うと良いでしょう。思考を発散させていると、目的認識までズレてしまうことがあります。一番簡単で効果的なのは、目的が目立つよう常に見える化しておくことです。マインドマップにおけるルートノード(中心に書く根元の項目)は、この役割をよく担っていると思います。

ただし、ブレストのファシリテーションには、

ブレスト中に目的認識のズレに気づいたとしても、直接的に「間違っている」という意思表示は基本的にタブー

ということに留意してください。そうした意思表示がされると、「アイデアの妥当性が評価されている」という印象を抱かせてしまうからです。これはその場で他のメンバーを萎縮させるだけにとどまらず、ブレストについて誤解を与え、その後のあらゆるブレストにも非常に悪影響を及ぼします。

しかし、ズレたまま放置するのはファシリテーターとしての役割を放棄しています。一案としては、

発想を伸ばしていく方向を、自分でアイデアを追加するなどして、なるべく自然な形で誘導する

と良いと思っています。ブレストはそもそも色々な方向に発想を伸ばしていくものなので、今伸ばしている発想と違うところを伸ばし始めることは、ズレが無くても自然に起こります。

もし、ブレストを始めると、すぐに目的認識のズレが発生するのであれば、まずブレストの目的についてメンバーで洗い出してみるといいでしょう。おそらくそのような状況では、メンバー間で目的意識は驚くほどバラバラになっているはずです。この作業はブレストではないので、喧々諤々の議論になるかもしれませんが、それで良いのです。

ブレストには対立を持ち込まず、あくまで協力して行う

ことに積極的になりましょう。

ブレストは目的認識を揃えた上で実施しないと、ただ混沌とした結果しか生まない

のです。必要に応じてブレストの前に時間を取り、目的を明確にし、認識を揃えましょう。

終わりに

いかがでしたでしょうか。ブレストが面白くない、ブレストしても思ったように成果が出ない、という方の助けになれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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